新しく購入したヘッドフォンについて。

 
 
HD700を購入したという事は以前書いて有ると思うが、エージング
すすんできたようなので、感想を書いておこうと思う。
 
以前書いたシャリ付き感は、かなり取れて来た。シャリ付いている位の方
が、高域が目立って、なんか良く出ているような印象を持ち易い気もする
が、まあそれは一時の楽しみとして、寧ろあまり長く聴くものでもないだ
ろう。
 
高音のシャリシャリした感じは取れて、かなり聴きやすくなった。このヘ
ッドフォンを買う前には、随分と試聴を繰り返したものだが、(試聴をし
た店で買えなかったのは申し訳ないが、USBケーブルを買ったり、雑誌
を買ったりしているので、まあご勘弁願いたい)実際に買って使ってみる
と、やはり値段の差だけは有るなというのが正直なところ。
 
密閉型と開放型の違いも大きいが、K701も持っているがそれともかな
り違う感じがする。
 
圧倒的な音場感である。しかし以前、HD650、HD700、HD80
0を同じ環境で試聴した事が有るが、はっきり言って音場の広さは、確り
と値段通りの順番になった。
 
なので、HD800程の音場の広さはないものの、それでも以前と比べた
ら充分過ぎるぐらいの違いがある。これは仕方のない事だろう。
 
Z1000に分が有るとすれば、ドラムやベースの低域の、引き締まった
張りつめたような音の出方をする部分か。
 
タムなどは「パン、パン」と気持ち良く弾けるようなサウンドである。
 
この辺は、HD700は決して低音が弱い訳ではないのだが、音色が若干
ざらついたような(本当に僅かな違いなのだが)印象をうける。
 
どちらが自然かという事になると、本当は楽器によって、相性があるとい
う事になると思うのだが、今、どちらかを選べと言われたら間違いなくH
D700になるだろう。
 
高音の広がりなどはZ1000では真似出来ない。音の分離も全然良い。
 
値段が倍もするので、その位違って欲しいと思っていたが、これだけ違え
ば文句は言えないだろう。
 
尤も、悪い所がない訳もない。どうしても扱いを丁寧にしないと、有る部
分が簡単に凹んでしまったりしそうなので、とても部屋の中でもあまりあ
ちこち持って動き回る気にはなれない。ケーブルをひっかけたりしてもと
んでもない事になりそうなので、ケーブルの引き回しも気になる。
 
イヤーバッドはとても心地よく、汗も気にならない(吸収してしまう?)
ので、何時迄でもつけていられそうである。
 
何時間聴いても聴き疲れしないのを求めている人が結構見受けられたが、
Z1000ではそんな事は到底無理だろうと思っていたが、HD700に
なってからは、本当に聴き続けるのが苦にならなくなり、下手すると聴き
ながら寝入ってしまう程に心地よい感覚を味わっている。
 
ただ、若干側圧は弱いような気がする。というより、自分が、髪の毛が薄
いためなのだろう。HD700を装着して、頭を前にまげて下を見ると、
ヘッドバンドを支えるものが何もないため(頭がツルツルなので)ヘッド
バンドが、下に下がってきてイヤーパッドが耳からずれてしまう。
 
まあ、付けている事を忘れるくらいの装着感を得るためにはその位は我慢
しなければならないのだろう。
 
定位に関しても、違いが分かりやすくなった。これはDDCの効果の所で
簡単に聴いて分かるレベルという事を言ったが、それも、このヘッドフォン
のお陰だと思っている。
 
安くて良いシステムを求めて色々と試聴を繰り返したり、自作してみたり
海外のものにも手を出したりしてみたりしたが、結局は有る程度のお金を
掛けないと良い音は得られないのだというような方向に向かって行ってし
まっている様なのは、残念でも有る。
 
しかしこれでも結構、無駄を省いたシステムになっているのではないかと
勝手に自己満足している。
 
しかし、一つ山を越えると、またその先にはより高い山が見えてくるとい
うのも事実で、ジッターを更に減らせば、まだこのシステムでも、音が良
くなる可能性があると感じ始めている。
 
果たしてそちらの方へ向かって行くのが良いのかは自分で決める事だが、
出来たら暫くは何も考えずボーっとしていたい気もしている。
 
暫く経って見てそれでもまだオーディオの世界が好きならば、また続きを
始めたらいいかもしれない。
 
ここで一区切りと行けるかどうかは、まだもう少し聴き続けてみないと本
当の所は分からない。もう少し時間が欲しくてしょうがないのだが体は一
つ、目は二つ、頭も一つに手足が各二本。聖徳太子の真似はとてもじゃな
いが出来ない。