ジッターについて。

 
 
前回の続きともいえるが、色々と調べて思い当たるふしを色々な
資料を調べて考えて見た。
 
クロックの精度を表すのに、ジッターが+−1ppmなどと表記
されていたりするが、これは大抵は、クオーツ時計の正確さを表
す月差+−10秒とか言ったりするのと、基本的には同じと考え
られる。
 
この誤差は、大抵は伸びる方向、または縮む方向のどちらかに偏
っている事が多く、特に周囲の温度にも関係し、温度が高い程、
時計は進む傾向になる。
 
オーディオのジッターも同様に、伸びる方向または縮む方向のど
ちらかに偏っている場合がほとんどだと思われる。
 
これ以外に、安定性というか、1クロック毎に伸びたり縮んだり
するのは、ジッターの揺らぎとして、前者とは別に扱われる。
 
実は音楽の再生時のクロックのジッターとして、聴覚に分かりや
すく影響を与えるのは、後者の方で、短い間に、不安定に揺らぐ
ため、音がぼやけるような印象を与えると考えられる。 
 
一方、前者の方は、1クロック毎には殆ど違いを感じられず、例
えば一曲終わった時点で、全体の曲の長さが違ってくるため、人
間の耳で或いは脳で認識するのは並大抵のことではないと言える。
 
たとえ、絶対音感を持っている人が、これを聴いたとしても、全
体で数ミリ秒違う程度のものを、音程が下がっている或いは上が
っていると果たして認識出来るだろうか。 
 
出来ると言い切る人もおられるかもしれない。しかし、それより
重要なのは、音楽として、聴いた場合にどれだけ分かりやすい変
化が現れるかである。
 
当然のことながら、影響の大きいと思われる方を重点的に対策し
た方が良いに決まっている。
 
この辺は各社各様で、色々な方式を採っているようだが、重要な
ノウハウなので、公開されていない場合が殆どの様だ。
 
従って、ただ単に、精度の良いクロックを使えば良いというもの
でもない。先にも述べたように、一般的には、クロックの精度は
1日に何秒狂うかというような形で表されている事が殆どなので
勿論良いに越したことはないのだが、例えば、ジッターの揺らぎ
については、ルビジウムよりも水晶の方が、少ないという実験結
果もあるようだ。この辺は受け売りなので、はっきりとは言い切
れないがそういう可能性もあるという事は間違いない。
 
専門的すぎて、はっきりした事は確かめられないが、普通に考え
ても、ぼやけるというのはジッターの揺らぎに起因するものと考
えるのが妥当だろう。
 
ほんの僅かづつクロックが正確に?進むまたは遅れるものを不自
然ととらえる事が出来るだけの能力を、果たしてどれだけの人間
が持ちうるだろうか。
 
という訳で、前回のGUSTARD U12とBabyface
の比較結果であるが、これはGUSTARDの方では、精度の良
いクロックを使って回路を構成しているという点では、U12の
方が勝っているものの、ジッターの揺らぎに対する対策はBab
yfaceの方が、確りしていたという事ではないかと思ってい
る。
 
そういう意味でより音楽的に良いと感じたのがBabyface
の方になったのだと私は考えている。
 
PCオーディオについてはまだまだ改良の余地が沢山残されてい
ると言えると思う。
 
これを楽しみと捉えるか、難題と捉えるか。しかし、必ず確実に
進歩していくに違いないと今は期待している。
 
 
 
P.S.
 
BabyfaceをDDCとして使う際の注意。
 
BabyfaceのOptical−OutPutは初期状態で
は出力されないようになっているので、コードを接続したらその
後、TotalMix FXを立ち上げて、Hardware
OutputsのAN1/2の上にカーソルを持って行って、右
クリックしCopy Submixを選択して左クリックする。

次にAS1/2の上にマウスカーソルを持って行って右クリック
すると今度はPaste Submixという項目が出てくるの
で、これを選択して左クリック。
 
これで、Optical Outから出力されるようになる。
出力されているかどうかは、TotalMixのフェーダーの表
示がちゃんと音楽に従って上下しているかどうかを確認すれば分
かる。

ちょっとした工夫で、良い音が聴けるようになるので、Baby
faceを持っている人はぜひ試してみてください。