4ヶ国語麻雀。

 
 
 もう随分前の事になるが、日本で、シャンソンという
物が流行った事があったと思うのだが、子どもの頃の事
で、殆ど覚えていない。
 
 
 だが、何故だか、最近、フランスのZAZという歌手
の曲を聴いて、これはシャンソンだと思ってしまった。
 
 
 厳密には、シャンソンという音楽ジャンルの様なもの
は、存在しないらしい。フランス語では単に「歌」を意
味しているだけで、曲のリズム、旋律などの形式や、詞
の内容、使う楽器など、全く定義されている訳ではない
との事。
 
 
 しかし、日本では、昭和の一時期に、フランスから入
ってきた音楽をシャンソンという音楽の一ジャンルに位
置付けして、流行ったという経緯から、何となくでは有
るが、「こんな感じの曲」というイメージが、多分多く
の人にも、定着している(いた?)のではないかと思う

 
 
 ZAZの歌がまさにそれで、どこをどう取ってシャン
ソンというのか、自分でも分からないのだが、とにかく
昭和のある時期に流行った、その音楽の雰囲気を醸し出
していると言わずにはいられない。
 
 
 子供心にもその独特の雰囲気は、忘れられない物とな
って残っていた。
 
 
 敢えて分析してみれば、テンポの良い2拍子のマイナ
ースケールのコード進行で、日本で言えば、演歌の様な
感じと言ったら失礼か。
 
 
 他のパターンももちろんある。ただ、あまり詳しくな
いので、口で説明するのは難しい。あくまで、感覚的に
昔聞いた事のある雰囲気の曲と言う事だけだ。
 
 
 ZAZについてだが、まだ若いのだが、何となく、シ
ャンソンのイメージを最初に感じてしまったので、一寸
年上の女性が歌っているような先入観が捨てきれなかっ
た。
 
 
 しかし、曲は決して古臭くなく、明るい感じで、特に
終わりの方の曲は、ごく普通のPOPSという感じのも
のだった。
 
 
 フランス語独特の、柔らかい感じの歌詞も、どうして
も先入観に繋がってしまったか。
 
 
 先入観を抜きにして聴いてみれば、今まで聴いた事の
ない独特な、乗りの良い曲で、ハスキーボイスも魅力的
に感じたに違いないと思うのだが、年寄りゆえの、ハン
デか。
 
 
 どうせなら、このままシャンソンの雰囲気に留まらず
エレクトリックな楽器も取り入れて、先入観をぶち破っ
てもらいたいものだが、これはこれで、素朴でいいのか
もしれない。