進化?の歴史。

 
 
 進化の歴史を振り返って見ると、強いものが弱いものを駆逐し、
そしてまた別の強いものが現れて、支配していく事の繰り返しの様
に思っていた。
 
 
 果たしてそうだろうか。明らかにそうだと思われる事もある。
 
 
 しかし全てがそうだとは思われない。意外なものが現れて、何を
するでもなく、いつの間にか、少しずつ浸透して行き、気が付いた
時には入れ替わっていると言う事を経験した事は無いだろうか。
 
 
 ちっとも強くないのに、何がしかの特徴的なものが、一部のもの
にメリットとして受け入れられ、少しずつ変化しながら浸透して行
き、決して強いと言うメリットではないのに、容易く受け入れやす
いが為に何となく使われていく内に、強さで押していたものと数の
上で大差が付いていて、入れ代わりが決定的になっていたものが必
ずあったはずだ。
 
 
 例えば、強いものは過去の成功経験に縛られていて、自分よりも
大きな流れに、気が付いてかいないでか、対応に遅れ、それでもま
だ力で押し切れると思っている内に、世の中は変わっていた。
 
 
 具体例を挙げても良いところなのだが、敢えて抽象的な所で止め
ておこう。
 
 
 規格争いなどは良い例ではないだろうか。言葉などにもそういっ
たパターンは見受けられるだろう。
 
 
 膨大な情報と知識を使って完璧なものを目指す。それは確かに、
正常進化の過程を辿って行く。しかし、知識が多くなればなる程、
全てのものが必要不可欠であって、切り捨てる事が非常に難しくな
る。
 
 
 一方、強くない方は、最初から足りない所だらけである。少しく
らいはみ出しても、大して問題にならない。そこに良さが付け加わ
って行けば、案外と魅力的なものになっていく可能性も残されてい
る。
 
 
 但し、このようなパターンにおいて、時間は非常に重要である。
長い時間をかけないと、充分に浸透していけない。
 
 
 やはり一長一短なのであろう。もっと色々な進化?のパターンが
あるかもしれない。他人事のようにそれを遠くから?じっくりと眺
めて見るのも良いかもしれない。
 
 
 勿論、そんな余裕は無いのであるが、どんどん大きくなっていく
システムを見上げながら、「これだけが世の中じゃないんだ」と思
いながら蟻がどこかで穴を開けようとしているのを想像して見るの
も悪くは無い。いや、結構悪い趣味だったりするか。