某村上春樹作品読み終わりました。世間と1年以上遅れてますかね。

 
  
 まだ読んでない人(ってどの位いるのかな)はこの後を読まない
ように。きっと読む気なくしますから。
 
 悪い癖ですが、結論から先に言ってしまうと、ハッピーエンドな
純愛小説という感じでしょうか。
 
 
 読んでいる最中には、何処が中心で、誰がメインで、何処へ行こ
うとしているのか分かりませんでしたが(分かってしまうようでは
失敗という事になってしまうんでしょうな)最終的には、全ては2
人が巡り合い、愛し合ってこれからも厳しい未来を生き抜いていく
という所へ収まったようです。
 
 
 小人さんや、ちょっと大きな繭、反社会的?社会の存在、小人さ
んと会話の出来る人、全てが、脇役だったと。小説の中の「小説」
も、結局全容を語ることは無く、2人を1Q84の世界へ引きずり
込んでいく一つのきっかけに過ぎなかったのかと。
 
 
 もしかしたら、この小人さんと会話の出来る少女がもっとクロー
ズアップされていくのかと思いましたが、最終的には、2人の為の
キューピット(古い表現だな)役だったようです。
 
 
 そしてもうちょっと社会問題に切り込んでゆくのかとも思いまし
たが、これもある意味、現在の(いや当時の?)世相を現している
だけで、物語の中心とはなりませんでした。
 
 
 面白かったけれど、ちょっと期待はずれ?。ラブロマンスに終わ
らない何かが残るのではないかと思っていたのですが、全てが舞台
設定の為に用意されたものという印象を最後に残してしまったよう
な気がします。そこが残念。
 
 
 文中にちりばめられた色々な引用は、残念ながら文学に無学の私
にはあまり有効に働かなかったようです。1Q84年という設定も
当時の自分(多感な時期だったはず)にかぶることも無く、何の思
い出も残せませんでした。
 
 
 でも、大抵、思い入れの出来ないような小説は読まなくなってし
まうのが普通でしたが何となく最後まで読んでしまいました。
 
 
 元々毒舌なので、あまりいいことは書きませんが、まあ、何とな
く不思議な体験をしたような、そんな気分ですか。
 
 
 大ヒット作となる理由を見つけられたようには思いませんが、推
理小説でもなく、事件物でもなく、こういうのは何と呼んだらいい
のでしょうか。歴史物でもないし。
 
 
 どちらかと言うと、最近のマンガにこういったテーマを扱うもの
が多かったりするような気がするんですが、あまりに失礼でしょう
か。
 
 
 というか、最近のマンガはそれだけ、大人が読んでも充分楽しめ
る結構内容の濃いものがあるようです。子供向けは子供向けでまた
別にあるんだろうけれど。
 
 
 今回はある意味自分の趣味は別として、かなり冷静に読ませても
らいました。涙も無く、のめり込んで止められなくなる事もなく、
マイペースでかなり時間をかけて読みました。
 
 
 たまには、多くの人が読むものを読んで見るのもいいのかもしれ
ない。この小説よりもむしろ、これを他の人がどう読んだのかの方
がむしろ興味が湧いてくる。
 
 
 その内、読後感でも探してみるかな。きっとこんなに話を単純に
してしまわずに、丁寧に読んだ人もいることでしょう。