泣くと言う事。
「最近涙もろくなっちまってねえ。」と、お年寄りの会話ではな
いが、確かに何故か泣けてくる事が、時々ある。泣くっていうのは
果たしてどういうことなのか。
基本的には、共感して、或いは同情して、涙を流すのだろうが、
必ずしもそうとは限らない。ヒーローのカッコ良さに思わず泣ける
事もある。ハッピーエンディングで良かった良かったと泣く事もあ
るだろう。
でも、よくよく考えて見ると、泣いている時は、共感して、その
相手に自分を重ね合わせていると思っていたのだが、そうとは限ら
ない。というか、ホントは重ね合わせてなんかいないんじゃなかろ
うか。
共感する自分がいて、また別に、それを飽くまで他人の目として
見ている自分がいる。その他人の目の自分が、本当は泣いているん
じゃないだろうかと思ったりする。
自分がどうしようも無い程の重荷を背負っていて、もがいてもも
がいてもどうする事も出来ない、そんな時に、涙を流している暇な
んかあるだろうか。
もうどうしようもないと諦めた瞬間、涙はどっと噴出してくるも
のではないだろうか。
もちろん、人にもよる。涙を流しながら前へ前へと進んでいく人
もいるだろう。
でも、最近、どうしても、「諦めてしまった時」「これ以上どう
しようもないと思ったとき」「共感していながら、どこかで他人の
こととして考えている時」に、泣いているような気がしてならない
。
その真っ只中にいたら、きっと泣いている暇なんて無いんじゃな
いかとちょっと捻くれた目で見ている今日この頃。