昔の懸案事項についての続きを書こうかと思ったけれど、やっぱり止めて、今回は一点豪華主義について。

 一点豪華主義は何処まで通用するか。先ず最初に思い出したのは、某ソフトのおまけファイルで、MP3とは思えない程のよい音がした時の事。これ以外にもそういう経験はあったのだが、どうも、人間、やはり、中域が綺麗に出れば、全体としては成り立つような気がする。高域や低域は所詮、サブで、やはり人の声が一番感動を与えるのではないだろうか。

 そういう意味では、安いヘッドフォンも、安いデジタルプレーヤーも、必ずしも感動を与えないとは限らない。

 もっとも、その中域でさえも、高い機材を集めれば、別世界の音を出してくれる事もありうる。

 何にしても、この中域を放って置いて、高域だけ伸ばしても、分かる人には分かる的なものしか出来上がらないだろう。

 今日の試聴で、必ずしもエージングされていないという程ではないことが分かった。それ程ごちゃごちゃしているように聴こえるわけでもない。

 よくよく聴いて見ると、ちゃんと出ているが、何となくソフトな感じといったら良いだろうか。輪郭も甘い。でも悪くも無い。

 少しくらい、キンキンした感じの方が、後々徐々に丸くなっていって、ちょうどよく慣らされるのではないかと思ったりするのだが、80kHzには、そんな雰囲気も感じられない。

 これはもう、ソースからヘッドフォンアンプを通って来る内に、丸くなってしまっているのではないかとも思ったりしたのだが、他のHPを聴いて見ると、しっかり出るところは出ていたりする。

 80kHzの意味は、どの辺りにあるのだろうか。私は臨場感に有るのだと思うのだが、どうもそれを確められない。

 あの、試聴環境の中では確かに一番無難ではあったと思うが、とてもあの値段を出すだけの魅力は感じられなかった。非常に残念である。

 もし、他の、高域の延びているHPが、皆んなあのような傾向だとしたら、そんな所にこだわってもしょうがないのかななどと思ったりもする。それ程、今の家での試聴環境は良い。まあ、継ぎ足していって、全部で8万以上もかかっているから当然といえば当然なのだろうが、一歩間違えば、大差ない環境になってしまった可能性もあるような気がする。SACDには、未だに値段程の良さを見出せていない(ってまだ、一枚しか買ってないけど)のを考えると、これから、何処に投資したら良いのかは、非常に微妙である。

 取り敢えず、音源の充実に力を入れるべきか。ハードを下手に弄ると、失敗すれば大損害を被らないとも限らない。若くないのだから素人と割り切って、聴きに徹した方がよいようだ。

(実は、「やっちまった」と思った間違いをつい先日犯したばかり。事なきを得たが、所詮今は製作、測定環境が整っているでもなし、ちょっとしたことでも、ピュアオーディオにとっては大問題だったりするので、手を出さないに越した事はない。)