天空の城は永遠に滅びないのでありました。

 天空の城の話を書いた作家は誰だっただろうか。よく憶えていないが、多分、その城は、空高ーくに存在し、地上からは決して手の届かない、中を覗く事も出来ない、人知の及ばない、世界を造っていたと思われたのでしょう。だからあんな話を書いた。決して滅びることなく永遠に続く世界、理想郷でしょうか。地上で何が起ころうとも決して揺らぐ事もなく、下の世界とは無縁の、夢のような楽しい世界。そんな世界を造っていた人たちがかつて、存在したのかもしれません。今でもどこかに存在するのかもしれません。でもそれは、地上からは決して見えない。誰からも、何処からも、近づく事さえできない。それは無限の力によって支えられていて、永遠に空を飛び続ける。誰もが羨む世界。それが天空の城。