猫舌、毒じた、小心者。君にもピザを食べさせてあげたい。(毒自他)

 小心者にも色々な科目が御座います様で。何を怖がるかは、自分でも分かりませんが。一方、毒を吐かせたら、誰も右に出たがらないようで。それだけ毒を吐けるならば小心者の訳がない?これから書く事は、はっきり言って目の毒、気の毒、ふぐの毒です。従って、「普通の人」「普通でいたいと思う人」は決して読まないでください。身体によくありませんから。

 今回は、一応まじめな話のつもりなので、実名を出させて言わせていただきます。(普段はいい加減な事を書いてるんかい?)。片方を褒めれば、どうしてももう一方を貶した事になってしまうのは、ご勘弁願いたいと思います。

 それは、みんなも知ってる、「テトリス」というゲームの話です。元はロシアのプログラマーか、何かの分野の研究者だったか、とにかく、ロシア人が考え出したゲームだという事です。

ルールは単純で、色々なメーカーが色々なゲーム機用に移植して、大ヒット作となり、またそこから、色々なアイデアを付け足して、沢山の派生商品が生まれ、その面白さはオリジナルを超えるような、そんな物もどんどんと生み出されていったのは、それ程のゲームマニアでなくてもご存知だと思います。それ程元のアイデアがシンプルで、かつ、奥の深い、応用のきく物であったという事なのでしょう。

しかし、そういう人達でも、業務機用(ゲームセンターにおいてある奴。)のテトリスと、巷で流行っているテトリスは、一見すると何の違いもないようですが、実は殆ど別のゲームといってもいいくらいの違いが有るのをご存知なのは、ちょっとマニア?の部類に入ってしまうかもしれません。(失礼)

偉そうに語っていますが、何を隠そう、その違いを知ったのは、某ゲームセンターで、どっかのにいちゃん(いや、若者)が、これ見よがしに見せ付けてくれた、このゲームを知り尽くした技の数々の凄さでした。

それは、ただ落ちてくるブロックを回転させて、上手いところにはめ込む、ただそれだけなのですが、この落ちてくるブロックが、まるで重力に引かれて落ちてくるかのように、下に落ちているブロックが階段状になっているところを、「転がり落ちる」ようにあやつることによって、あっという間に下まで到達してしまうのを上手く時間稼ぎして、思った場所にはめ込む。また、落ちてしまったブロックでも、ほんの一瞬の間だけは回転させる事が出来、その場で回転させて、上手くはめ込む。また、転がり落とせるという特徴を上手く利用する為に、下のブロックを、中央が一番低く、両脇が階段状に高くなっていくように、ブロックを積み上げていく、長細いブロックが落ちてきたときの為でもあり、ブロックを誘導する場所を、一点に絞って確実に消せるように、真ん中、或いは、端の方を、必ず4段以上縦に開いている場所を作っておくなどなど、とにかくいかに高速に落ちてくるブロックを、人間が反応できる範囲で、有効に消していくかを追及した、はっきり言って「全く別のゲーム」と言いたくなるほど、奥の深いものでした。

はっきり言って、自分はゲームはそこそこしかやらないし、(今は全くやらなくなってしまったが)RPGにものめりこめず、最後まで行かないくらいの、ゲームを語れるほどの人間ではないのですが、この技を見せ付けられて、これは、「やってみるしかない」と思い、昔は、下手なので、50円入れてゲームやってもほんの数分で終わってしまうのがあまりにもったいなく、ゲームセンターに通った事もなかったのですが(だいたい、ゲームセンターのことを「ゲーセン」と呼ぶ事をなんかしっくりこないとおもっていたくらいなので)、それ以来せっせとへたくそながら、一日に500円、1000円と平気でつぎ込んで、胃が痛くなるほど必死になって通い詰め、どのくらい経ったか覚えていませんが、とうとう、「ころがし」(と呼ぶかどうかは知らないが)を習得し、最高速で落ちてくる状態を何とか維持していられるくらいまでになりました。(やっぱり俺ってバカだな)

実は、そんなことはどうでもいいのですが、この業務用「テトリス」を作った会社は、生存競争に敗れ、どこかの会社に吸収合併されてしまいました。

ただ、「テトリス」の大ヒットの影で、こんなドラマが展開されていたのだという事が言いたかっただけです。

テトリス」で最も儲けた会社も、たぶんこの会社ではなかったのでしょう。しかし、そんな事実も、一旦誰かが掘り起こしてしまえば、それで終わり。人知れず消えてゆくのが有終の美というやつなのでしょうか。(やっぱり俺って本当にバカだな)

くれぐれも、毒に当たりませぬよう、お気をつけ下さいませ。