それでも書くか!昔々の探検ごっこの話。

 自転車に乗れるようになってから、子供の行動半径は、格段に広がって、隣町まで出かけて行ける様になり、毎日が楽しくてしょうがなかった。サドルに乗って自転車に跨っても、両足が地面に届かなかったので、ツーツー乗り(誰が考えたか名付けたか、当時子供用自転車も少なかったので、大き目の自転車に乗るためには、まず自転車に勢いをつけて走らせ、左の足だけで自転車を漕ぎ、右足はぴょんぴょん飛び跳ねて左足をサポートし、左足はペダルを漕いでは戻し、漕いでは戻しを繰り返して、だんだん加速して、充分加速して自転車が安定したら、やっと跨いで普通に乗るという乗り方。乗って両足がペダルに着いて漕げれば、大き目の自転車でも乗れる。一回一回の漕ぎ方が、ツー、ツー、と言う感じでタイミングを取るので、こんな名前が付いたのかも。世間一般で使われていたのか、方言?仲間内だけの言葉?か全く分からない)を習得して、段々遠くへと行くようになった。初めの頃は近場で、原っぱや、空き地へ野球などをしに遊びに行く程度だったが、遠くに行くにつれて、知らない道がどんどん出てくる。それが楽しみで、「この道、行った事ないから行ってみよう。」みたいなノリで、わけ分からない道をどんどんいってみる。大きな通りなら、大抵は行き先が書いてあるのでどうと言うことはないが、裏道、山道、田んぼの畦道、人の家の間の狭い道
、何処へ抜けるのか、或いは行き止まりだったり、時には、多分あっちへ出るんだなと分かっている道を、人数が多いと、二手に分かれて、どっちが先に着くか競争したり、(剥きになって、必死で走るからホントはどっちが近道なのか分からない)、またあまり遠くへ行ってしまうと日が暮れるまでに帰ってこれるか分からない所まで行ってしまったり、或いは途中でお寺を見つけたり、神社を見つけたり、○○指定の重要文化財が有ったり、新しい駄菓子屋を見つけて、そこで珍しいおもちゃ(カメラの形をしていて、レンズのところがビョーンと飛び出したり、指輪の形をしていて、そこから水がピュッと飛び出したり、相手をビックリさせる系のやつなど)を見つけたり、そういうおまけが付いて来る、「探検ごっこ」なのだった。(時には自転車を降りて、山の中へ道なき道を入って行ったりもした)更についでにおまけに、隣町の同い年位の子供と、遊び場の縄張り争いみたいな事をして砂を引っ掛けられて、目に入って痛くて急いで水道の水で洗ったり、痛いおまけも付いてくるのだった。その頃、ちょっとした裏道を入っていくと有った、お化け屋敷と呼んでいた、古くて崩れそうなボロ屋敷も、今はすっかり取り壊されて綺麗な家が建っている。今は、あっちへ行っても、こっちへ行っても、整然としていて、あまり空想を掻き立てるようなものも少なくなったような気がする。まあ、年のせいか。大人になってからのお遊びは、下手をするとただでは済まないが、その辺の話が出来るようになるには、まだまだ先の事だろう。(痛すぎて思い出したくも無いような事がいっぱいで、引っ張り出したくない!?)