思い出すだけでとっても悲しい悲しいお話。

昨日のM.Mくんのお話はさておき、今日は賞味期限切れになったどら焼きを食べながら、思い出してしまった、またしても古ーい古ーい(小1頃かな)時代の、ほんのちょっとした出来事だけど何ともやり切れない切ない思い(残念ながら恋の話ではありません)について。
 ある日何の用事だったかは全く忘れてしまいましたが、親戚の人がお土産を持って家にやってきました。お土産の中身は、ロシアケーキ。今まで食べたこともない、聞いたこともないお菓子で(貧しかったんカナー(お父さんお母さんゴメン))ワクワクして食べるのを待っていました。お客さんが帰って、「食べていいよ。」と親に言われ、もう大喜びで、食べ始めました。ケーキっていうからスポンジみたいなやわらかいやつを想像していたら、それはクッキー(ていうかクッキーもあまり食べたことがないので、当時はビスケットのような歯ざわりに感じたといったほうがいいかも)のようにサクサクでなおかつ、上にはゼリーのようなものが乗っかっていたり、胡桃のようなものが入っていたり、とにかくそれは美味しくて珍しく、めったに食べられないように思って食べたのでした。この機会を逃すと何時また食べられるか分からないような気がして、一つ食べ、二つ食べ、三つ?位食べたでしょうか。おなかはいっぱいだったのに、つい無理して食べてしまいました。でも、満足感はいっぱい。とってもうれしい気分になって、その日は安らかに眠ったのでした。
 翌日の朝も、余韻に浸りながら、朝食を食べ、普通に学校へ行きました。ところが、2,3時間目頃でしょうか、急に気持ち悪くなってガマン出来なくなってしまったのです。一生懸命こらえ、おえっ、おえっとなるのを何とか口の中に溜め込んで外へ出さないように頑張ったのに、とうとう抑えきれずに・・・・・。
ゲロゲロゲ〜。びちゃびちゃびちゃ。ドロドロ。ベッタベタ。くっさー。

机の上の教科書はべたべたに汚れ、床までドロドロと滴り落ち、服にも付いてどうしようもない状態。吐いたものをよく見ると、昨日食べたロシアケーキがぐちゃぐちゃになってまじっている。ああ、あんなに美味しかったロシアケーキが。見るも無残な姿で。子供だった自分にとってはどうしようもなく悲しい思いでいっぱいになりました。もったいない、でももう一度口の中に戻すことも出来ないし、(それこそオエッ)昨日二つで止めとけば、でも二度と食べられないかもしれないし。実際のところ、当時でもそんな高級菓子であったわけでもなし、ちょっと離れたパン屋さんへ行けば売ってもいたのですが、その辺は子供だから全然わかってなくてただ珍しくて美味しいものに対するただただ執着心でいっぱいで食べ過ぎてしまったのでした。もったいない、もったいない、どうして僕は二つで止めておけなかったんだろう。でもその日に食べなければ、誰か食べちゃうかもしれないし。
先生がやってきて、雑巾で床を拭き、机の上も洋服も拭いてくれて、洗面器に残りのゲロを、背中をさすりながら吐かせてくれました。周りのみんなも、キッタナイから机は除けて授業は再開しましたがその後、誰も僕を攻めることもなく、いじめられる事もなく、その日は多分家に連絡して、多分母がつれて帰ってくれたのでしょう。家に帰って寝ました。もうすっかり気分は良くなって、どこも大丈夫。それでも一応御粥かなんかを作ってもらって食べて、次の日からはまるで何事もなかったかのように学校に通ってみんなと遊んだり、給食を食べたりしたのでした。
 しかしその日の思い出は、今でも時々、何かを食べるたびに思い出します。小さい頃から、食べ物に限らず、物に対する執着心は昔から非常に強く、それは今でも全く衰えることなく、続いているのですが、それだけに、余計にこのゲロゲーロな自分が悲しくて悲しくてしょうがない。でもきっと、二個で止めといてもきっと後々まで(末代まで?)後悔したんでしょう。とにかく悲しい悲しい一人の人間の佐賀?(どうしてこうネタがタイムリーでないのか)のお話でした。