3D規格の乱立。いきつく先は?

 
 
春のヘッドフォン祭りに行ってきました。今回は2日間かけてじっくりと
見て聴いて回って来ました。それでもまだ、多少の心残りがあったりして。
 
全体を通して思ったのは、つくづく単純じゃないなと。
同じ一つのポタアンでも、つなぐヘッドフォン或いは、イヤフォンにより
かなり表情が変わる。まあ、高級なヘッドフォンを持って行って試聴すれ
ば、ポタアンの性能が良くないという事になってしまうのかもしれないけ
れど、場合によっては、充分過ぎるぐらいに堂々とした鳴りっぷりをする
事もある。言ってみれば、やんちゃな、若者と言えなくもないが、それは
それで使い手次第で価値は変わってくるだろう。ただ、ポタアンはあまり
弄れる要素が据え置き型に比べて多いとは言えないので、その辺は不利だ
が、そこは理解して使うしかないだろう。寧ろ良いところをのばしてやる
位のつもりがいいかもしれない。
 
DAPの性能は随分と進化しているようだ。尤も、御値段の方もかなりい
ってしまっている感も拭えないが。しかし、最新の技術が投入されていた
りするので、甘く見てもいられない。元々、外で音楽をじっくり聴く機会
はそれ程ないので、ポータブルにする必要もないのだが、進歩のスピード
も速かったりするのでどうしてもそちらに目が行ってしまう。
 
ポータブルを自宅で、据え置きにして使っている人も結構増えただろう。

商品の開発にも、トレンドが有るようだが、同じ技術或いは、部品などを
使っていたからといって、必ずしも良い結果に結びついている所ばかりで
はないようだ。よく言われるのが、「同じDACを使っているからと言っ
て、同じような音がするとは限らない。」という事だが、それはまあもち
ろんその通りだろうが、一方では、「○○のDACを採用しました。××
オペアンプを使っています。」などという謳い文句を結構使っていたり
するのだ。
 
また、DACを選んでいる理由が殆ど、「音が良かったから。」だったり
するのだ。難しいパズルを組み合わせるような使い方は、あまりしないの
が普通だったりするわけだ。
 
あんまり、例え話に持って行くのも、当たり前すぎて面白くもないかもし
れないが、分かりやすい様な気がするので、ついやってみたくなる。
 
料理でいえば、部品は素材、技術は素材だったり、レシピだったり、メー
カーのカラーが味付けだったりするんだろうか。デザインは盛り合わせか。
 
素材が良くても、調理法や、味付けで失敗すればそれは美味しくなくなる。
逆に素材がそこそこでも、調理の工夫次第で、それなりに良い物は出来る。
この辺はまあ、当たり前といっていいだろう。
 
問題はコンセプトか。とびっきり良い素材は、余計な手間をかけず、シン
プルにして素材の良さで勝負するのが良いと考える人もいるだろう。一番
に手に入れて、さっと調理して、すぐに出す。鮮度が命か。
 
そうではなくて、さらに手をくわえてやれば、もっと良くなると思う人も
いるかもしれない。
 
逆に、素材は平凡でも、腕の見せどころで、最終的な味付けを秘伝のタレ
でも使えば、美味しい物は出来るというかもしれない。
 
でもやっぱり料理はまず素材からと思ってしまうのは、自分だけか。もう
それだけで高級料理になってしまって手が出せなくなってしまうか。シン
プルにして、価格を抑える。それじゃ料理にならんか。
 
閑話休題
 
ヘッドフォンの聴こえ方の最大の欠点?といわれる頭内定位を解消する方
法が、もう随分と昔から考えられてきているようだが、なんだかあんまり
進歩が見られないようだ。
 
十年以上前のものが、いまだに通用する。新しい技術と言っておきながら
結局は、スピーカーのリスニング環境に近づけるという点では全然変わっ
ていなかったりする。
 
変わっているとすれば、サラウンド関係の技術を使ったものだろうが、何
故だか良く分からないが、あまり浸透しているとは言い難い物があるよう
だ。
 
クロスフィードもさりげなく使えるようになっていたりするが、これも随
分と、古い技術だろう。ただ、左右の信号が、ノイズとなって混じってし
まうのと、意図的に、必要な部分だけを混ぜるのとではえらい違いだ。
 
グランド分離は、クロストークの改善の一種だ。
 
確かに頭内定位は、解消出来る様になってきているのは確かだが、決め手
はどれなのかは全く分からない。
 
きっと、特に宣伝もされることなく、当たり前のように組み込まれる様に
なったものが、シェアを獲得する事になるのだろう。というか、何処の技
術と言っているうちはまだスタンダードに成り切れていないという事なの
だろう。
 
当たり前になるのはいつの日か?
必要ないって事も有りかもしれない。大多数の人間が、別に気にしないの
ならそれは必要ないということだろう。そういう結論になってもおかしく
はない。ヘッドフォンはそういうもんなんだとおもえればそれも有りだろ
う。そういう楽しみ方を否定する権利はない。
 
ばかだ、あほだ、チンドン屋だと言ってみたところで、いらないものはい
らない。使う人が決める。あんまりそうなってほしくはないが。
 
元々のソースをヘッドフォン用にして、提供するなんてのも有ったが、大
きな流れにはなっていないようだ。これなら何も変える必要がないんだが。
ソースがスピーカー用とヘッドフォン用になってしまうのが欠点か。 
 
自分で気に入った様に弄って使う余地を残しておくのが良いのかもしれな
い。
 
旅はまだまだ続くのであった・・・・・・・・・。