昨日の記事についてのお詫び。

 昨日の記事について、再生データよりも広いダイナミックレンジ
を持つ、処理系について、どのような工夫が必要であるかを書くつ
もりでしたが、下調べの甘さと、幾つかの勘違いから、ちゃんとし
た記事にするには時期尚早と判断し、誠に失礼ながら、いったん白
紙に戻し、資料集めと、考察を充分に行ってから、新しく書き直す
事に決定しました。
 
 
 と言う訳で、今回は、日常のチョッとした事に話題を戻して見た
いと思います。
 
 
 近頃の家電製品、特に情報家電は、有線から無線化が進むことに
より、とても便利になったと言えます。部屋を隔てて、わざわざケ
ーブルを引き回す必要もなく、接続の設定も、有線よりも簡単にな
り、物によってはスイッチ一つで繋がってしまう事もあるようです。
 
 
 しかし、そこは世の常、必ず何かが引き換えになっていると考え
た方が良いでしょう。
 
  
 今回の場合はセキュリティですか。有線の場合は、まだ何とか、
色々なソフトウェアツールを使ったりして、問題点を割り出す事が
可能でした。
 
 
 また、家の中なら家の中だけで閉じた世界を造っているため、外
部からの進入に対してもある程度は、セキュリティーソフトを使っ
たりして、防ぐ事が可能でした。
 
 
 それでも、各種ソフトウェアのアップデートや、ウェブの閲覧、
ウィンドウズアップデートなどを悪用すれば、有線でも十分に、ハ
ッキングは可能です。
 
 
、実際、ハッキングと言わないまでも、放って置いたら、同じアッ
プデートを永久に繰り返すバグ?や、ソフトウェアの中身が勝手に
書き換えられたりして、インストールしなおさなければならなくな
ったり、動作が急に重くなったり、キーボードが使えなくなったり
同じソフトで、同じバージョンなのに、バージョンエラーになった
りならなかったりなど、バグか、ハッキングかも分からないような
不幸な状態がしばしば続いたりする事も現実にはいくらもあったり
するわけです。
 
 
 しかし、そんな事はまだ序の口で、無線LANを開設したら、数
日後に、どこかから勝手に繋いで使っている人がいたり、或いは、
電波の入りが悪いとは思えない状況で、何故かしょっちゅう圏外に
なってしまったり、散々です。
 
 
 儲けると言う事を考えると、どうしても、便利さと、お金の交換
と言うような単純な図式が成り立つわけで、不便になれば、余計に
お金を払わなければならない、またちょっと便利になったと思えば
また、不便になって、お金を払わなければならないと言った事の繰
り返しが絶えず行われているというような状況が、生まれてきてし
まっているようです。
  
  
 確かに人間、便利な事には簡単に慣れてしまいやすい。
 
 
 何日か使っていればもうそれが当たり前と思うようになるのに、
そう長い時間は必要ない。
 
 
 しかし、何処までが当たり前で、何処からが特別なのかは、よっ
ぽど色々な人や物を見ていないと、とても分かるものではないでし
ょう。お店に売っているからと言って、それを誰もが皆当たり前の
ように使っているとも限らない。
 
 
 実は問題が有る製品を、知らないうちにそんなもんだと思って使
っている人もいるかもしれません。
 
 
 それを考えると、果たして、企業の利益を守る事がすべて正義か?
という当然な疑問も湧いてきます。 
 
 
  
 特許も元はといえば、中小企業が、色々と工夫して作った製品を
売って儲けにかえようとするのを勝手に真似されて、取られてしま
うのを何とか守ろうという意図で作られた仕組みだと思うのですが
今は完全に、大企業が、市場を独占する為の道具として、使用する
のが当たり前になってしまっています。著作権もまた然り。
 
 
 中小企業が、オンリーワンの技術を持っているという人がいるけ
れども、むしろ、オンリーワンというより、ワンオブゼムでしょう。
全体で一つのものを形成する為に、お互いを分業化したに過ぎない
のであって、決して初めからオンリーでやっていけたわけではない。
 
 
 一応会社員を十数年経験しているので、言わせて貰えば、オンリ
ーワンは上から与えられたものであって、自分で生み出したもので
は決してないということです。

 
 自動車メーカーの下請けが、グローバル化で非常に苦労をした。
なぜかといえば、上から認められてのオンリーであって、本当の意
味でオンリーを目指せば、孤立してしまうのは明らかだったからで
す。

 
 最初から、下請けとしての技術を伸ばしていく事を前提に成り立
っていたわけです。
 
 
 確かに口では、「君のところの技術がなければ、私たちもやって
いけなかった。」とおっしゃるでしょう。しかし実は、代わりを探
そうと思えば決して探せないわけではない。そうでなければ、立場
が逆転してしまうからです。
 
 
 技術も、門外不出とすることによって何とか守ってきた。それは
当然親会社あっての事で、完全に系列化している今の社会では、は
み出してしまえば全て終わり。実際、海外のメーカーとさえ、そう
いった契約を結んでお互い手を出さないようにしていたりした訳で
す。
       

 そんな訳で、私たち(といっていいのかな)の生活でさえ、この
ような系列の中に組み込まれる事によって成り立っているというの
を忘れる事はできないでしょう。
 
 
 ライフラインは何時でも止められる。かといって、「作られたオ
ンリーワン」に甘んじていては、やはりいざとなったら簡単に切り
捨てられてにっちもさっちもいかなくなる。
 
 
 本当の意味でのオンリーワンは、ごく一部の特別な人間だけに与
えられた、誰にも真似できない技なのでしょう。というより、人間
社会で生きていく限り、オンリーワンは、本当は存在しない夢物語
なのかもしれません。


 夢は見るものであって、実現するものではない。と言い聞かせて
おかないと、すぐに足を踏み外して真っ逆さまとはなりたくないも
のですが、無理ですか。なにせ、夢は大きすぎて恥ずかしくてとて
も人に言えたもんじゃないですから。