首首ちょんぱ首ちょんぱ。

 
 
 昔々、俺がまだアリだった頃、日本はブルドーザー
だった。わっかるかなー、わかんねーだろーなー。
 
 
 古すぎるくだらない前ふりはさておき、そのアリだ
った頃と言うかジャリだった頃、よく、商品におまけ
というやつが付いてきた物だった。
 
 
 今でもあるが、当時はおまけが欲しくて商品を買う
くらいに人気のあるおまけもあったりしたものだ。
 
 
 その内の一つが、高級な鉛筆(当時の値段で1本、
100円以上!)に付いてくるドリフターズのキャラ
クター商品で、
 
 
 首ちょんぱ。
 
 
 というものだ。どういうものかと言うと、ペットボ
トルをもっと柔らかい素材でもっと細く作って、その
先にドリフのメンバーひとりひとりのあたまがくっつ
いていて、そのペットボトルみたいな細長い棒状の、
真ん中辺を指でぎゅっと押してやると、その頭という
か首から上が、空気で押されて、ポーンと吹っ飛ぶと
いうものだ。
 
 
 実に簡単で、大した仕掛けもないのだが、当時の、
ドリフターズの人気と、首が吹っ飛ぶという奇想天外
?な発想が受けて、必要もない高級鉛筆を欲しがる子
共が後を絶たなかった。
 
 
 そしておまけには付き物の、「誰の頭の首ちょんぱ
がもらえるか分からない」という一寸悔しいけれど、
どれが当たるか期待させるわくわく感で、盛り上がっ
たりしたものだった。
 
 
 当然、一番人気はカトちゃんで、多分ブーがはずれ
くじだったと思う。
 
 
 親が、仕事で高級鉛筆を使うような子は、持ってい
たりするのだが、まあ、クラスにそう何人もいなかっ
たと思う。
 
 
 殆どの子は、それを借りて、プシュッと押して、首
がポーンと飛んで行くのを何回も何回もやって楽しん
だ。
 
 
 また、このコマーシャルソングが面白くて、「首首
ちょんぱ、首ちょんぱ。」というフレーズが、今も、
頭の中に残っていたのだが、何故か今日新聞を見て、
訳もなく思い出したので、書いてみた。
 
 
 あんなの取っておく奴いないだろうなー。今もって
いたらもしかしたら相当プレミアムついてるだろうな
ー。
 
 
 何となく、そんな物が、時代を象徴していたような
気がしたのであった。